七冊目 井上ひさし氏の「太宰治に聞く」
七冊目は井上ひさしさんの「太宰治に聞く」!
この本は太宰治先生への架空インタビューから始まります。
鎌倉の山の中のヤグラで、段ボール箱をテーブル代わりに夜食を食べ始める。大安売りのカナダ産のカニ缶にたっぷりと味の素をふりかけたもの。あんまり大味なので、味の素で味を引き締めることにしているらしい。飲物は栄養満点、玉子の黄身を落としたビール。
太宰先生は、食べ物という食べ物に片っ端から味の素をふりかける癖があったらしい。証人は大勢いて、檀一雄さんは、先生が羊羹にも饅頭にもお汁粉にもパッパッと味の素をふって食べるのを目撃している。
と、こんなことを考えながら過ごしていたら、なんと太宰治先生が現れた。
太宰治先生との対話形式で書かれているのですが、太宰治先生を尊敬している私は、フィクションとわかっていながら、羨ましいと嫉妬しておりました(笑)
その後、新聞記事や当時の太宰先生を知る方々への、インタビュー、太宰先生の手紙などをふんだんに使った太宰先生の人生を紹介。写真が見られるのが個人的にはとても嬉しくて、五歳の頃の写真なんて、
「幼い頃から凛々しい」なんて一人でにまにましておりました。
さらに、井伏鱒二さんと長部日出雄さんの対話も載っていたりして、とにかくすごい豪華なんです。
そうそう!織田作之助、坂口安吾、太宰治が三人でお話しした会話も載ってます。無頼派で有名ですよね!
私あと、坂口安吾の本を買えば三人揃うんです。
お金が欲しぃ(笑)
いやぁ、いいですね。
織田作「いま、一銭銅貨といふものはないけれども、ああいふものをチヤラチヤラずぼんに入れておいて、お女郎がそれを畳むときに、バラバラとこぼれたりするだらう、さうするともてる。」
と見た時は笑ってしまいました。
最後には太宰先生の年譜も載っていて、私には至福の一冊。
とはいっても私もまだ図書館で借りている身なのですが、
まだです。まだなんですよ?本当です。
皆さんも是非「太宰治に聞く」読んでみて下さいね